京都の生活 第155回 健身房遊泳 (2014.1.22)

昨年暮れからスポーツジムに入会して、週に一二回泳ぎ始めた。それまで、ときどき気の向いたときに散歩するくらいで、特別に運動はしていなかったのだが、だんだん筋力が衰えてくるのを自覚する年代になってきたのでもう少し負荷をかけようと思い立ったわけである。もともと水泳は得意な方で、軽い気持ちで入会してみたのだが、さすがにこの年齢では体力の衰えが著しく、力まかせに我流で泳ぐクロールでは25メートルが精一杯という状態であった。

もう少し体力を浪費しないきれいなフォームを身につけようと教習コースに参加してみたのだが、見事「落ちこぼれ」感を味わうことになった。あるコースなどでは女性15名に、男性は小生一人だけという状態であり、周りの女性がすいすい泳ぐなかで、小生はアップアップの状態で同情されること頻り。ちなみに女性の年齢といえば――化粧を落としたスッピン顔で、キャップで髪を覆い隠している水着姿で女性の正確な年齢を推定するのはなかなか難しいことであるが――どうみても70歳は過ぎている人もいて、若そうな人でも60歳台であろうと推定される。

というわけで、中高年層の女性の元気さ、逞しさを改めて認識させられることとなった。こんな思いを「健身房遊泳」と題して漢詩に詠ってみた。「健身房」とは現代中国語でスポーツジムのこと、「七旬」の旬は十日または十年。「二毛」とは白髪まじり、「取次」とは次第にという意味。まさに白髪頭のおばあちゃん達についていこうと必死に努力している、笑う莫れの状態でなのである。

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